Turnitin は学位論文全体をチェックできるのか
Turnitin の 二つのページには、AI ライティングレポートに関する語数の上限が書かれています。学位論文はたいていそれを超えます。これは、スコアが何を意味するか、空欄のインジケーターが何を意味するか、そして指導教員が実際に見ていたのがどのファイルかを変えてしまいます。
HumanPen チーム
· 7 分
短い答え
Turnitin は、30,000語を超える提出物や、散文が 300 語に満たない提出物については AI ライティングレポートを生成しません。同じ上限が、同社のヘルプページ 二つに書かれています。この範囲の外ではパーセンテージは表示されず、インジケーターは灰色の二重ダッシュになります。それは「処理できなかった」という意味であり、「問題なく戻ってきた」という意味ではありません。
学位論文まるごとなら、通常は上限を大きく超えます。ですから「自分の学位論文の AI スコア」について考えているなら、まず問うべきなのは、それを出したのがどのファイルかです。
そう書いている 二つのページ
1 つ目は AI Writing Report のファイル要件 という短いページです。ページ全体で約 700 文字しかありません。冒頭は "In order for a submission to generate an AI writing report and percentage, the submission needs to meet the following requirements"(AI ライティングレポートとパーセンテージを生成するには、提出物が以下の要件を満たしている必要があります)で、その後に要件が並びます。長い文書がそもそも採点されるかどうかを決めるのは、そのうちの 三つです。
- ファイルサイズは 100 MB 未満であること
- 長文形式の散文テキストが少なくとも 300 語含まれていること
- ファイルの語数は 30,000語を超えないこと
残りの項目は、対応言語と受け付けるファイル形式についてです。
二つ目は AI ライティング検出の機能に関する FAQ で、レポートのインジケーターの意味を説明する中で同じ要件を繰り返しています。数字も順番も同じです。
ベンダー自身のサイトに 二か所あることは、思っているより重要です。Turnitin の上限について出回っている情報の多くは、あるブログが別のブログを写しているだけのものです。
灰色の二重ダッシュは合格ではない
FAQ には、インジケーターが取りうる表示が書かれています。0 から 100 の数字が付いた青いインジケーターは、提出物が処理されたことを意味します。アスタリスクは、AI が 1% から 19% の範囲で検出されたことを意味し、Turnitin は誤判定を避けるため、これを数字なし・ハイライトなしで表示します。そして、こう続きます。
"Gray with no percentage displayed (- -): The AI writing detection indicator is unable to process this submission."(パーセンテージが表示されない灰色 (- -):AI ライティング検出インジケーターはこの提出物を処理できません。)
そのページには理由も書かれています。1 つは、提出が AI ライティング検出のリリースより前だった場合で、これは再提出でしか解消できません。もう 1 つは、ファイルが上記の要件を満たしていない場合です。
感嘆符で示される別のエラー状態は、Turnitin が提出物を処理できなかったことを意味し、もう一度試すかサポートに連絡するよう求められます。
つまり、60,000語の学位論文に灰色のダッシュが出るのは想定どおりの結果であり、あなたの文章については何も語っていません。何かを結論づける前に、三つの状態のどれを見ているのかを把握しておく価値があります。とくに手元にあるのがスクリーンショットだけなら、なおさらです。
つまり、学位論文は章ごとに採点される
実際には、長い成果物は分割して提出されます。指導教員に 1 章、進捗審査に 1 節、最終ファイルをリポジトリへ。それぞれが別々の予測であり、ここで数字の扱いは直感どおりにいかなくなります。
Turnitin は仕組みを次のように説明しています。提出物を重なり合うセグメントに分割し、各セグメントを 0 から 1 の間で採点し、条件を満たす各文に、その文を含むセグメントのスコアを引き継がせ、それらをまとめて集約して文書の数値にする、というものです。章のスコアは学位論文のスコアの一部ではありません。学位論文のスコアなど存在しないからです。これらは、量の異なるテキストに対する別々の実行結果です。
範囲の下限側も、また違う振る舞いをします。Turnitin によれば、わずか数百語の文書では、セグメントが 1 つだけで平均化できる重なりがないため、予測はたいてい "all or nothing"(全か無か)になり、そのため短い文書の混在した内容が「全体が AI 生成」と判定されることがある、とのことです。400 語の導入部を単独で提出すれば、まさにその領域に入ります。要旨だけでは 300 語の散文という下限にすら届きません。
反対の端では、FAQ は長い文書について率直です。真正な文章と AI 生成の文章が混ざった長い文書では、どこまでが前者でどこからが後者かを正確に特定するのが難しい場合があると述べ、出力を学生との対話を始めるための手がかりだと説明しています。
パーセンテージは、学位論文全体に対する割合ではない
範囲内であっても、その数字がカバーしているのは思っているより狭い範囲です。Turnitin が分析するのは「対象テキスト」と呼ぶもので、標準的な文法的文として書かれたブロック、つまり散文の文だと定義しています。箇条書きやその他の文ではない構造は対象外です。そのうえで FAQ は、そのパーセンテージは必ずしも提出物全体のパーセンテージではなく、長文の散文と見なされないテキストは含まれない、とはっきり述べています。
長文の散文の定義では、形式が直接名指しされています。より長い著作物を構成する段落に含まれる個々の文、たとえば小論文、学位論文、記事などです。
手法の章を思い浮かべてください。番号付きの手順、パラメータの表、数式、コード、図のキャプション。そのうち段落として書かれた文はごくわずかです。パーセンテージの分母は、あなたの文章のうち考察らしい形をした部分にまで縮みます。そしてスコアもそこから生まれます。Turnitin の AI ライティングレポートの読み方 では、数字とハイライトのずれを具体的にたどっています。
その 30,000語は、だれの数え方か
Turnitin はどのカウンターを使っているかを公開していません。これは些細な揚げ足取りではありません。同じファイルを数えても、二つのツールが食い違うのはよくあることです。
原因として多いのはダッシュです。Word は 2語の間にあるダッシュを、ある形式では語の区切りとして扱い、別の形式では扱いません。これは UT オースティンのリーガルライティングのブログで、ページ範囲を使って わかりやすく示されています。私たち自身も、ダッシュの多い文書で自社のカウンターが Word と食い違うのを見てきました。
余裕はわずかです。それが問題になるのは 1 か所だけで、それがここです。Word が 29,800語と言い、向こう側で数える側がそれより少し大きい数を言うなら、レポートが出るか灰色のダッシュになるかは、ダッシュ数個で決まります。上限に近いなら、あとで気づくより先にファイルを分割してください。
これをどう活かすか
- どのスコアを解釈する前にも、どのファイルが提出されたかを確認してください。 1 つの章、製本された学位論文、ポータルが生成した PDF、付録を外した版は、それぞれ別の提出物です。
- 灰色のダッシュは「処理されていない」として扱ってください。 それを「問題なし」として上へ報告しないでください。
- 章のパーセンテージを足したり平均したりしないでください。 分母が異なる別々の予測です。
- 短いセクションは挙動が荒くなると想定してください。 理由は Turnitin 自身が説明する短いテキストへの「全か無か」式の採点であって、あなたの文章ではありません。
- ベンダー自身が数字の用途として述べていることを覚えておいてください。 Turnitin は複数の自社ページで、モデルは誤りうること、そして学生に不利益な措置の唯一の根拠にすべきではないことを述べており、別の場所ではスコアを決定的な回答ではなく 1 つのデータポイントと呼んでいます。これは指導の場に持ち出して差し支えない発言です。
すでにその話し合いの最中で、しかも自分で書いたものなら、指摘された、しかし自分で書いた で、どんな証拠を集める価値があるかを扱っています。
結局ある章を書き直すことになったら
章の長さになると、二つのことが高くつきます。あとで読み直さなければならない量と、書き直しに支払った金額です。どちらも同じ設定、つまりファイルのどこまでを対象に含めたかで決まります。指摘された 三つの段落と章まるごとでは、校正の量がまったく違います。
HumanPenというツール は逆の順序で動きます。その章の Turnitin または iThenticate のレポートを取り込むと、指摘された箇所がそのまま対象範囲になります。書き換えられるのはそのテキストだけで、他には一切手を付けず、課金はアップロードした文書ではなく実際に書き換えた語数で数えられます。エンジンが触れる最小単位は段落で、段落の一部だけを選択した場合は段落全体に広げられ、作業開始前にあなたへ表示されます。アップロード側に 1 回あたりの語数上限はないので、章は 1 ファイルのまま投入できます。条件を満たす箇所は、無料で再実行できます。
これらはどれも、次のレポートについての予測ではありません。何が変更され、何が課金されるかについての記述です。
よくある質問
30,000語を超える文書を Turnitin はチェックできますか? AI ライティングについてはできません。Turnitin のファイル要件ページと FAQ のどちらにも、AI ライティングレポートとパーセンテージが生成されるには提出物が 30,000語を超えてはならないと書かれています。類似性チェックは別のシステムで、独自の挙動を持ちます。
学位論文に AI のパーセンテージが付いてきませんでした。それは良いことですか? おそらく、レポートそのものが作られていません。灰色の二重ダッシュは、インジケーターが提出物を処理できなかったことを意味し、ファイル要件の超過は Turnitin が挙げている理由の 1 つです。
自分の章のスコアが、指導教員が提出したファイルのスコアと違うのはなぜですか? 別々の実行だからです。スコアは提出されたものの重なり合うセグメントに対して計算され、パーセンテージは対象となる散文しかカバーしません。そのため、同じ語句を含む 二つのファイルが、異なる分母と異なる数値を生むことがあります。
最小の長さはありますか? はい。ファイルには、長文形式の散文テキストが少なくとも 300 語必要です。また Turnitin は、わずか数百語の文書に対する予測は、平均化できる重なりがない単一セグメントであるため、全か無かに傾きやすいとも述べています。
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