大学はAI検出器を使っているのか——答えは「何を買ったか」で決まる
あなたの大学がレポートにAIの割合を表示できるかどうかは、運用方針ではなくライセンスの問題です。TurnitinのAI検出はOriginalityに付属するものであり、Turnitinのすべての製品に付属するものではありません。そして、それが存在する場合でも、その数値は同社自身が「単独で判断材料にすべきではない」としている一つのデータにすぎません。
HumanPen チーム
· 10 分
短い答え
すべての大学がAI検出機能を持っているわけではありません。しかもその理由は、一部の大学がAI検出に反対する方針を採っているからではありません。理由は、TurnitinのAI執筆検出がTurnitin Originalityのライセンスを契約した顧客にのみ提供されているためです。Turnitin Feedback Studio(TFS)、Similarity、旧Originality Checkを利用している学校には、誰かが別途アクセス権を交渉しない限り、AI検出機能はありません。つまり「自分の大学はAIをチェックしているのか」という問いは、より小さな三つの問いに分解されます。その機能を含むライセンスを機関が購入したか、教員がそれを有効にしたか、そして表示された数値が実際にどれだけの意味を持つのか、という三つです。
この三つを順に見ていきます。たいていの人が求めている答えは「はい」か「いいえ」ですが、本当の答えは依存関係の連なりです。その連なりのどこについてもTurnitin自身のページに記されており、推測する必要はありません。
AI検出はすべてのTurnitin製品に含まれているわけではない
この疑問の大部分に答える一文は、Turnitinの検出機能に関するFAQの「Access & licensing」セクションに埋もれています。
「AI writing detection is only available to customers that license Turnitin Originality.」(AI執筆検出は、Turnitin Originalityのライセンスを契約しているお客様のみがご利用いただけます。)
文法はこちらで整えました。ページ上は「is only be available」と誤記されていますが、この記事ではその誤りをそのまま引き継ぎません。この文が述べていることは明快です。AI検出は特定の製品階層の機能であり、どのTurnitinの環境にも存在するスイッチではありません。
その直後の文が、残る隙間を埋めます。
「If you are a Turnitin Similarity, Turnitin Feedback Studio (TFS) or Originality Check customer, please speak to your Turnitin account manager regarding access to AI writing detection.」(Turnitin Similarity、Turnitin Feedback Studio (TFS)、Originality Checkをご利用のお客様は、AI執筆検出の利用についてTurnitinの担当者にご相談ください。)
二つを並べて読めば、全体像がはっきりします。成績付けとルーブリックのためにTFSを購入した大学や、剽窃チェックのためにSimilarityを導入した大学には、メニューでオンにされるのを待っているAI検出器は存在しません。その機能そのものが無いのです。手に入れるには担当者に戻り、機関が支払っている内容を変えてもらう必要があります。つまり設定の問題ではなく、調達の判断です。
だからこそ、異なる二つの大学の学生がTurnitinに提出して、まったく異なる表示を見ることになるのです。一方には課題の受信トレイにAIのインジケーターが表示されます。もう一方には類似度スコアだけが表示され、それ以外は何もありません。後者の大学のライセンスに、そのインジケーターを生成するツールが含まれていないためです。手元にあるレポートの読み方を知りたい方は、TurnitinのAI執筆レポートの読み方で、各インジケーターの意味を一つずつ解説しています。
iThenticateのAI検出は、その上に乗る別料金の機能
大学院の研究や学術誌への投稿では、Turnitin Feedback StudioではなくiThenticateが使われることが多くなります。ライセンスの構図は同じで、そこにもう一段階が加わります。
TurnitinのiThenticate製品ページには、次のように書かれています。「iThenticate customers can access AI writing detection as a paid add-on.」(iThenticateのお客様は、有料のアドオンとしてAI執筆検出をご利用いただけます。)これは主要機能ではなく、アドオンの項目に記載されています。標準のiThenticateライセンスが調べるのは重複テキストです。AI検出は追加の項目です。
つまり実際には、iThenticateにお金を払っている機関であっても、AI検出にお金を払っているとは限りません。iThenticateを運用している学術誌に原稿をアップロードする研究者は、向こう側でAIスコアが生成されていると思い込むかもしれません。実際には生成されていない可能性があります。そのスコアが存在するかどうかは、その学術誌のライセンスにアドオンが含まれているかどうか次第であり、投稿する側からは確認できません。
同じiThenticateのページは、中核となるチェックがAIの内容ではなく重複テキストを対象としていることも明記しています。個別の出版社のライセンス契約については、変化するものであり外部から検証できないため、ここでは名前を挙げません。ただ、構造的な論点は変わりません。iThenticate側のAI検出は任意で追加費用がかかるものなので、標準で備わっていると思い込むのは、誰もあなたに伝えていない購入を前提にすることと同じです。
大学が導入していても、その数値はおそらく見えない
では、ライセンスがあると仮定しましょう。機関はOriginalityを購入しました。教員はその課題でAI検出を有効にしました。提出物が取り込まれ、モデルが実行され、どこかにパーセンテージが表示されます。
その「どこか」は、学生の画面ではありません。
「The AI writing detection indicator and report are not visible to students.」(AI執筆検出のインジケーターとレポートは、学生には表示されません。)
これは同じFAQページで同じことを述べている二つの文のうちの一つです。もう一つは「only instructors and administrators are able to see the indicator.」(インジケーターを閲覧できるのは教員と管理者のみです)です。そして、最初の文の直後にある次の文が全体を閉じます。
「However, with the PDF download feature, instructors can download and share the AI report with students.」(ただし、PDFダウンロード機能を使えば、教員はAIレポートをダウンロードして学生と共有できます。)
つまり、スコアからあなたに至る経路には人が介在します。数値を見るのは教員です。あなたがそれを見られるのは、教員がPDFをダウンロードして渡すと決めた場合だけです。多くの教員がそうするので、自分のレポートを見たことのある学生は少なくありません。しかしそれは共有という行為であって、あなたのアカウントの機能ではありません。類似度スコアを確認するように、ログインして確認することはできません。そして、受信トレイに数値が表示されていないからといって、その数値が存在しないわけではありません。
この点は「自分の大学はチェックしているのか」という問いに、特定の形で効いてきます。インジケーターが自分のアクセスできない画面にあるため、学生は一学期ずっとチェックされていても最後まで気づかない可能性があります。自分の提出物でAI検出が動いているかを知りたい場合、クラスメートに聞いても信頼できる答えは得られません。知っているのは教員、または課題を設定した管理者です。そしてすでに指摘をめぐるやり取りが始まっているなら、AI指摘後の対話では、そのやり取りで決着できることとできないことを扱います。
スコアは判断材料であって、判決ではない
ここまでで、ツールが存在しない可能性があること、そして存在してもあなたにはその内容が見えない可能性があることを確認しました。連なりの三つ目は、誰かがその数値を見たときに、それが何を意味するのかという点です。
Turnitinのヘルプドキュメントは、同じことを三か所で述べています。AI Writing Reportのガイドに掲載されている版は次のとおりです。
「Our AI writing detection model may not always be accurate (it may misidentify human-written, AI-generated, and AI-paraphrased text), so it should not be used as the sole basis for adverse actions against a student.」(当社のAI執筆検出モデルは常に正確とは限りません(人間が書いた文章、AIが生成した文章、AIが言い換えた文章を誤って判別する可能性があります)。そのため、学生に不利益となる措置の唯一の根拠として使用すべきではありません。)
次の文こそ、見落とされがちなものです。
「It takes further scrutiny and human judgment in conjunction with an organization's application of its specific academic policies to determine whether academic misconduct has occurred.」(学術上の不正が起きたかどうかを判断するには、より詳しい検討と人による判断、さらに組織が自らの学術ポリシーを適用することが組み合わさって初めて可能になります。)
これが声明の全文です。モデルは誤る可能性があります。そして措置の唯一の根拠にすべきではありません。不正があったかどうかの判断には、追加の検討と機関自身のポリシーが必要です。FAQも同じことを別の言葉で述べています。その割合は「should not be used as the sole basis for action or a definitive grading measure.」(措置の唯一の根拠、あるいは決定的な評価基準として使用すべきではありません)というものです。
これとは別に、「How should I review the AI Writing report?」(AI執筆レポートはどのように確認すべきですか)というガイドページがあり、同じ論点を前向きな表現で述べています。
「It is not meant to provide definitive answers in isolation. More important than any tool is the educator who sees the score and makes decisions balancing this information with their personal knowledge of their students, their work, and institutional policy.」(これは単独で決定的な答えを出すことを意図したものではありません。どんなツールよりも大切なのは、スコアを見て、その情報を学生やその課題、機関の方針についての自分自身の理解と照らし合わせながら判断する教育者です。)
そしてその次の文です。「When educators look at the AI writing score and utilize it as a single data point rather than a definitive response, then it is being used as intended.」(教育者がAI執筆スコアを見て、それを決定的な答えではなく一つのデータとして活用するとき、そのツールは意図されたとおりに使われています。)
一つのデータ。これが、自社のツールが生み出すものについての同社自身の説明です。判決でも、裁定でも、機械的に結果を発動させるパーセンテージでもありません。人が知っている他の事柄と並べて検討される一つのデータです。
この点は、同社が公表している偽陽性率によって裏付けられます。FAQには次のようにあります。「We strive to maximize the effectiveness of our detector while keeping our false positive rate - incorrectly identifying fully human-written text as AI-generated - under 1% for documents with over 20% of AI writing.」(当社は検出器の効果を最大化しつつ、偽陽性率——人間が全面的に書いた文章をAI生成と誤って判別する割合——を、AI執筆が20%を超える文書について1%未満に保つよう努めています。)その次の文が、それを言い換えています。「we might flag a human-written document as AI-written for one out of every 100 fully-human written documents.」(全面的に人間が書いた文書100件のうち1件を、AI執筆として指摘してしまう可能性があります。)100件に1件は低い割合です。しかしゼロではありません。
同社はまた、この低い偽陽性率には代償があることも認めています。「In order to maintain this low rate of 1% for false positives, there is a chance that we might miss some AI written text in a document.」(偽陽性率をこの低い1%に維持するため、文書内のAI執筆テキストの一部を見逃す可能性があります。)このツールは、人間の文章をAIと判定しない方向に傾いています。一部のAI文章を見逃す犠牲を払ってでもです。この設計は、AIを使っていない学生にとっては有利です。同時に、低いスコアが純粋さの証明にはならないことも意味します。20%や30%というスコアが実際に何を意味し、なぜ閾値がその位置にあるのかは、AI 20%は高すぎるのかにまとめられています。また、1%の偽陽性率が実際の件数でどのような規模になるのかは、偽陽性率1%が意味するもので詳しく述べています。
つまり三つ目の答えはこうです。AI検出が存在し、その数値が見える場合であっても、そのツールを作っている会社自身が、単独で判断材料にすべきではないと述べています。あなたの大学がそれを使っているなら、その数値は対話への材料であって、対話そのものではありません。そして指摘される側になってしまった場合は、書いたのは自分なのにAI判定されたで、その対話に持参すべきものを解説しています。
「自分の大学はチェックしているのか」の代わりに問うべき三つのこと
まとめると、この連なりは次のようになります。
- その機関はTurnitin Originalityのライセンスを契約しているか、それともTFS / Similarity / Originality Checkを運用しているか。これによって、その課題にAI検出機能がそもそも存在するかどうかが決まります。ライセンスに含まれていなければ、切り替えるスイッチも、有効にする設定も、提出物に表示されるAIインジケーターも存在しません。
- 教員はこの課題でそれを使っているか。正しいライセンスがあっても、AI検出は課題ごとに設定されます。教員はオフのままにすることもできます。特定の提出物で実行されたかどうかを知っているのは、教員または管理者だけです。
- 実行されたとして、その数値は何を意味するのか。Turnitinは、スコアは決定的な指標ではなく、措置の唯一の根拠にすべきではなく、一つのデータとして使われることを想定していると述べています。あるパーセンテージから何が導かれるかを決めるのは、ツールではなく機関の学術誠実性ポリシーです。
この三つの問いは、ライセンス、設定、ポリシーのそれぞれに対応します。「大学はAI検出器を使っている」でも「使っていない」でも、どれも答えにはなりません。このツールは高等教育に一律に敷かれた層ではありません。一部の機関が費用を払って導入し、一部の教員が有効にし、一部のポリシーが製造元の想定より決定的なものとして扱っている、一つの製品機能です。
よくある質問
Turnitinを使っている大学なら、どこでもAI検出機能があるのか。いいえ。AI執筆検出は、Turnitin Originalityのライセンスを契約している顧客のみが利用できます。Turnitin Feedback Studio、Similarity、旧Originality Checkを利用している機関では、別途アクセスを手配しない限り、AI検出機能はありません。これはライセンスの問題であり、すべてのTurnitin製品に付属する機能ではありません。
自分の大学にAI検出があるかを確認できるか。学生アカウントからはできません。AIインジケーターを閲覧できるのは教員と管理者だけです。教員や大学の教育技術部門に、自分の課題でAI検出が有効になっているかを尋ねれば、相手は把握しています。
教員がAIレポートを見せてくれた場合、それは自分の大学にそのツールがあることを意味するのか。はい。あなたが見たレポートはAI検出機能によって生成されたものであり、それはライセンスに含まれていることを意味します。教員はAIレポートをPDFでダウンロードして学生と共有できます。これが、多くの学生が自分のスコアを目にする経路です。
AIスコアが出たということは、問題になるということか。それだけではそうなりません。Turnitinは、そのスコアについて「should not be used as the sole basis for adverse actions against a student」(学生に不利益となる措置の唯一の根拠として使用すべきではありません)と述べ、「a single data point.」(一つのデータ)と表現しています。指摘後に何が起こるかは、あなたの機関の学術誠実性ポリシーと教員の判断によります。同社は、このツールが不正の認定を行わないと明言しています。
別の大学の友人が、自分のTurnitinにはAIスコアが表示されないと言っていた。そんなことがあり得るのか。はい、あり得ます。そしておそらくそれは方針の違いではありません。その大学は、AI検出を含まないTurnitin製品のライセンスを契約しているのでしょう。受信トレイにAIインジケーターが表示されないのは、OriginalityなしでTFSやSimilarityを運用している場合の説明がつきます。
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