AIを使っていないと説明する方法:WordとGoogleドキュメントのバージョン履歴

WordやGoogleドキュメントで書いた文章がAI判定に引っかかったとき、そのファイル自体が、どんなふうに書かれたかという時刻付きの記録を残しています。この記録は、あなたにしかない証拠です。

HumanPen チーム

· 13 分

結論から言うと

Turnitinが、WordやGoogleドキュメントで書いたあなたの文章を検出した場合、そのファイルに組み込まれているバージョン履歴は、持参できる最も強力な時系列の証拠です。文書が一度に貼り付けられたのではなく、数日から数週間にわたり複数のセッションで編集されたことを示します。ただし、AIが一切関与していないことまでは証明しません。証明するのは、そのファイルに執筆の履歴があるということです。そしてAIスコアはその履歴を見ていません。スコアが見ているのは最終的なテキストだけだからです。この記事の残りでは、その書き出し方、ラベルの付け方、そして一緒に持参すべきものを説明します。

この先の作業を始める前に、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。このツールを作った企業は、三つの別々のヘルプドキュメントに、AIスコアを学生に対する措置の唯一の根拠にしてはならないと明記しています。これはあなたの主張ではなく、彼ら自身の主張です。これがバージョン履歴の役割を変えるので、後でまた触れます。あなたが履歴を持参するのは「やっていない」ことを証明するためではありません。面談を、ひとつの数字の話ではなく証拠の話にするために持参するのです。

バージョン履歴で示せること、示せないこと

バージョン履歴とは、文書への変更を時刻付きで記録したログです。WordはOneDriveの自動保存とTrack Changesを通じてこれを残します。Googleドキュメントは標準機能として残します。OverleafはGit形式のページ履歴を残します。三つに共通しているのは、編集がいつ行われたかと、それぞれの修正がおおよそどの規模だったかを記録している点です。

示せること:

  • 文書が複数のセッションで、異なる日付に編集されていること。
  • 修正の規模に大小があること(段落単位のものも、文単位のものもある)。
  • 提出の数週間前など、文書がそれ以前の状態で存在していたこと。
  • 編集が、フィードバックのやり取り、指導教員のコメント、自分の見直しといった出来事の周辺に集中していること。

示せないこと:

  • すべての文が人によって書かれたこと。
  • どの段階でもAIツールが使われていないこと。
  • 最終的なテキストが途中の草案と一行ずつ一致していること。

ここがいちばん誤解されやすい点です。バージョン履歴は「やっていない」ことを証明するために使うものではありません。文書に、時間をかけて書かれたことと矛盾しない履歴があることを示すために使うのです。そしてその履歴は、スコアが見ていないものです。スコアは最終的なテキストを見ます。バージョン履歴は、その最終的なテキストがどうやってそこにたどり着いたかを見ます。

この違いが大事なのは、Turnitin自身が自社のスコアについて語っていることがあるからです。AIライティングレポートのガイドには、こう書かれています。

「Our AI writing detection model may not always be accurate (it may misidentify human-written, AI-generated, and AI-paraphrased text), so it should not be used as the sole basis for adverse actions against a student.」(当社のAIライティング検出モデルは常に正確とは限りません(人間が書いたテキスト、AIが生成したテキスト、AIが言い換えたテキストを誤って判定する可能性があります)。したがって、学生に対する不利益な措置の唯一の根拠として使用すべきではありません。)

この引用が使われるたびに必ず落とされるのが、そのすぐ次の文です。

「It takes further scrutiny and human judgment in conjunction with an organization's application of its specific academic policies to determine whether academic misconduct has occurred.」(不正行為が起きたかどうかを判断するには、さらなる精査と人による判断、そして各機関が自らの学術ポリシーを適用することが組み合わさって必要になります。)

二つを並べて読んでください。最初の文は、この数字を単独で使うなと言っています。二つ目の文は、代わりに何をすべきかを述べています。さらなる精査、人による判断、そして機関自身のポリシーです。ツールを作った企業が、数字を握っている人に、結論を出す前にもうひと仕事するよう求めているということです。あなたのバージョン履歴は、その「さらなる精査」を可能にするものです。

別のページもあります。AIライティングレポートはどう確認すべきかというタイトルのページで、そこでは次のように表現されています。

「It is not meant to provide definitive answers in isolation. More important than any tool is the educator who sees the score and makes decisions balancing this information with their personal knowledge of their students, their work, and institutional policy.」(単独で決定的な答えを出すことを目的としたものではありません。どんなツールより重要なのは、スコアを見て、この情報を、学生やその課題、機関の方針について自分が持っている知識と照らし合わせながら判断する教育者です。)

その次の文が、これを完成させます。

「When educators look at the AI writing score and utilize it as a single data point rather than a definitive response, then it is being used as intended.」(教育者がAIライティングのスコアを、決定的な回答ではなくひとつのデータポイントとして扱うなら、それは想定された使い方で使われていることになります。)

これは、メーカーが自社のスコアを「ひとつのデータポイント」と呼んでいるということです。評決ではありません。決定的な回答でもありません。面談がひとつの数字で始まり、ひとつの数字で終わるなら、進行役はメーカーが認めていない使い方をしていることになります。スコアが何を示し、何を示さないのかについては、TurnitinのAIライティングレポートの読み方で詳しく見てきました。

Word:Track Changes、自動保存、バージョン履歴のウィンドウ

Wordは別々の記録を二つ残しており、それは同じものではありません。

Track Changesは、挿入・削除・書式変更を本文の中に記録する機能です。執筆中にこれをオンにしていたなら、文書自体が目に見える編集ログを持っています。オフにしていたなら、そのログは存在しません。後から設定で取り戻すこともできません。

バージョン履歴は、自動保存がオンのときにOneDriveが残す、ファイル単位の記録です。文書のスナップショットを一定間隔で保存し、以前のバージョンを復元したり表示したりできます。開くには、Word for the web、またはOneDriveと同期しているデスクトップ版のWordで文書を開き、File > Info > Version History(デスクトップ)またはFile > Version history(ウェブ)に進みます。右側にウィンドウが開き、保存済みのバージョンが日時順に並びます。

何をすべきか:

  1. バージョン履歴のウィンドウを開き、いちばん古いバージョンまでスクロールする。日付をメモしてください。ファイルが数か月前からあって、バージョンが数十個あるなら、それだけでひとつの物語になります。
  2. バージョンの一覧を書き出すか、スクリーンショットに撮る。必要なのは日付と作成者のラベルです。Word for the webなら、各バージョンを読み取り専用で開けます。
  3. 時系列に沿って三つか四つのバージョンを選び、何が変わったかをメモする。すべてではありません。最初の草案、ひと通り修正した版、指導教員のフィードバック後の版、そして最終版です。ひとつのバージョンにつき一文で十分です。
  4. Track Changesを使っていたなら、マークが残ったままのコピーを手元に置く。面談の前にすべての変更を承認しないでください。マーク入りの版こそが、編集の過程を本文の中で示してくれるものです。

自動保存がオフでバージョン履歴がない場合でも、手がかりは残っています。以前の草案のファイル更新日時、指導教員に送ったメールの添付ファイル、クラウド同期しているバックアップフォルダには、いずれもタイムスタンプがあります。バージョン履歴のウィンドウほど整ってはいませんが、日付入りの草案が並んだフォルダは同じことを語ります。

Googleドキュメント:名前を付けられるバージョン履歴

Googleドキュメントは標準でバージョン履歴を残しており、三つの中ではいちばん書き出しが簡単です。

開くには、文書を開いてFile > Version history > See version historyに進みます。右側にウィンドウが開き、修正が縦に並びます。それぞれにタイムスタンプと編集者の名前が付いています。Googleではバージョンに名前を付けることもできます。執筆中に付けていなくても、今から付ければ問題ありません。

何をすべきか:

  1. バージョン履歴のウィンドウを開き、いちばん古い修正を特定する。Googleは細かい編集を大きなまとまりに圧縮するので、一覧はたいてい扱いやすい規模です。
  2. 主要なバージョンに名前を付ける。「最初の通し草案」「指導教員のフィードバック後」「方法のセクションの修正」「提出前の最終仕上げ」。名前が付いていれば、時系列は三十秒で追える筋書きになります。
  3. 一覧をスクリーンショットに撮るか、書き出す。Googleドキュメントには、バージョン一覧そのものを書き出すワンクリック機能がありません。日付が見える状態でウィンドウのスクリーンショットを撮ってください。文書が要るなら、スクリーンショットを一枚のページに貼り、ラベルを付けます。
  4. 二つか三つのバージョンを開いて見比べる。Googleは、削除と挿入をハイライトして、各修正で何が変わったかを示します。それぞれの修正の規模もメモしてください。考察のセクションに三つの段落を足した版と、誤字を一つ直した版では、見え方がまるで違います。

ここでのGoogleドキュメントの強みは、履歴が既定で有効になっていて、ユーザー側で無効にできないことです。Googleドキュメントで論文を書いたなら、履歴は存在します。残る問いは、あなたがそれを見たことがあるかどうかだけです。

バージョン履歴と一緒に持参したいもの

バージョン履歴がこの話の中心ですが、それがすべてではありません。周辺にある資料も持っていきましょう。

  • 手元に残っているいちばん古い草案。粗くても構いません。粗い草案は執筆の過程の証拠であり、その日付は、文書が最終版より前に存在していたことの証拠です。
  • 作業中に自分で作ったメモ、アウトライン、注釈入りのPDF。これらは研究の痕跡であって、生成の痕跡ではありません。その日付は、一回のテキスト出力には見えない道筋を描きます。
  • 指導教員や、フィードバックをくれた人とのメールのやり取り。特定の日付に草案を送り、コメントが返ってきているなら、その往復が時系列の一点を固定します。
  • AIライティングレポートのPDF(手元にあれば)。あなたには見る権利があります。TurnitinのFAQにはこうあります。「Please note, only instructors and administrators are able to see the indicator.」(講師と管理者だけがこのインジケーターを確認できることにご注意ください。)同じページにはこうも書かれています。「The AI writing detection indicator and report are not visible to students.」(AIライティング検出のインジケーターとレポートは、学生には表示されません。)これは絶対的に聞こえますが、次の文で変わります。「However, with the PDF download feature, instructors can download and share the AI report with students.」(ただし、PDFダウンロード機能を使えば、講師はAIレポートをダウンロードして学生と共有できます。)つまり、まだ誰もレポートを渡してくれていないなら、PDFを求めてください。パーセンテージのスクリーンショットではなく、レポートの完全版です。完全版なら、ハイライトがどこにあるか、何語が分析されたか、スコアが実際の数字なのかアスタリスクなのかまでわかります。

これらをすべて揃えると、ひとつのことが起こります。話が、数字についての主張から、文書とその履歴についての議論に移ります。この一般的な形については、自分で書いたのに検出されたときでたどってきました。

面談で時系列をどう見せるか

スライド資料は要りません。時系列を書いた一枚があれば十分です。

  1. 横線を引く。左端にいちばん古い草案の日付、右端に提出日を書き込みます。
  2. バージョン履歴の日付をその線の上に置く。すべてのバージョンではありません。五つか六つ。何かが変わったものだけでいいのです。
  3. 指導教員とのメールやフィードバックの日付も同じ線の上に置く。これによって、バージョン履歴がファイルの外で起きた出来事に結び付きます。
  4. Turnitinレポートの生成日も線の上に置く。これはスコアが作られた日であって、あなたが提出した日ではありません。この二つは違うことがあります。
  5. 線の下に文をひとつ書く。たとえばこんな具合です。「このファイルは[日付]から[日付]までの間に[N]回のセッションで編集されました。指導教員のフィードバックは[日付]に反映されました。AIレポートは[日付]に生成されました。」

この一枚は二つのことをします。レビュアーに、スコア以外に見るものを与えること。そして、あなたが告発から身を守るためではなく、レビューに参加するために来たことを示すことです。

入室する前にもうひとつ。TurnitinのFAQには、誤検知を生みやすいテキストの特徴が挙げられています。

「Sometimes false positives (incorrectly flagging human-written text as AI-generated), can include content without a lot of structural variation, text that literally repeats itself, or text that has been paraphrased without developing new ideas.」(誤検知(人間が書いたテキストをAI生成と誤って判定すること)には、構造的な変化に乏しい内容、文字どおり同じことを繰り返すテキスト、あるいは新しい考えを展開せずに言い換えられたテキストが含まれる場合があります。)

その次の文が、面談で効いてくる一文です。

「If our indicator shows a higher amount of AI writing in such text, we advise you to take that into consideration when looking at the percentage indicated.」(そのようなテキストで、AIによる記述の割合が高めに出た場合、表示されたパーセンテージを見る際にはその点を考慮に入れることをお勧めします。)

これが何を覆っているか、読んでください。構造的な変化に乏しい内容。文字どおり同じことを繰り返すテキスト。新しい考えを展開せずに言い換えられたテキスト。これは学術的文章のかなりの部分、とりわけ文献レビューや方法のセクションに当てはまります。指摘された箇所がその領域にあるなら、ツールを作った企業が、スコアを読む人にまさにその理由で割り引くよう言っているということです。あなたが言っているのではありません。企業が言っているのです。

バージョン履歴でやってはいけないこと

次の三つは、せっかくの証拠を台無しにします。

見せる前にバージョン履歴を編集しない。Googleドキュメントでは修正の名前は後から変えられますが、タイムスタンプと各修正の中身は変えられません。あるバージョンを「最初の草案」と改名しても、タイムスタンプが提出前夜の作成を示していたら、改名は状況を悪くします。履歴に語らせてください。

バージョン履歴がAI使用を否定するとまでは言わない。否定にはなりません。バージョン履歴が示すのは、文書が人間の書き方に矛盾しないパターンで、時間をかけて編集されたということです。示せるのはそこまでです。それ以上を主張すれば、相手に簡単な反論を渡すことになります。

「最初と最後の文」という古い主張を、いまの欠陥であるかのように持ち出さない。Turnitinは2023年5月のリリースノートで、誤検知が文書の最初と最後の数文に集中していたことを認めています。

「Since launch, we have observed a higher incidence of false positive detection in the first few or last few sentences of a document. Many times these sentences consist of introduction or conclusion content written in a generic way. As a result, we have changed our detection logic to help reduce these false positives.」(提供開始以降、文書の最初の数文または最後の数文で誤検知が多く発生することが確認されています。これらの文は、導入部や結論部として定型的に書かれた内容であることが少なくありません。そのため、これらの誤検知を減らすべく検出ロジックを変更しました。)

鍵になるのは最後のくだりです。「we have changed our detection logic to help reduce these false positives.」(これらの誤検知を減らすべく、検出ロジックを変更しました。)これは2023年に発表された修正です。いまの弱点として指摘できるものではありません。ツールが今も壊れている証拠として持ち出せば、目の前の人がそれを調べて修正を見つけ、他のすべてについてのあなたの信頼性が落ちます。この点はAI 20%は高すぎるのかで詳しく見てきました。

私たちの立場

HumanPenというツールは、文書の書き換えツールです。リライターに通せばAIスコアが消える、とは私たちは言いません。将来のスコアについて断定するつもりはないからです。言えるのは、このツールが何をするかです。文書をAIライティングレポートと一緒にアップロードすると、レポートが指摘した箇所だけが書き換えられます。それ以外の部分は一字一句そのままです。出力は、最終版にする前にあなたが確認します。

原本のまま面談に臨み、バージョン履歴に語らせるという道があります。指摘箇所を事前に直すという道もあります。どちらも正当です。まず面談があります。

よくある質問

バージョン履歴は、AIを使っていないことの証明になりますか?なりません。示せるのは、文書が人間の書き方に矛盾しないパターンで時間をかけて編集されたということです。「やっていない」ことは証明できません。バージョン履歴がしてくれるのは、レビュアーにスコア以外に見るものを与えることで、そこに価値があります。

Wordで自動保存をオンにしていなかった場合は?バージョン履歴のウィンドウは失いますが、すべてを失うわけではありません。以前の草案のファイル更新日時、指導教員に送ったメールの添付ファイル、クラウド同期のバックアップフォルダには、いずれもタイムスタンプがあります。整ってはいませんが、同じことを語ります。

担当教員がパーセンテージのスクリーンショットしか送ってくれません。何を求めればいいですか?AIライティングレポートの完全版、PDFです。TurnitinのFAQは、学生にはインジケーターが見えないとしていますが、同時に、講師はPDFダウンロード機能でレポートをダウンロードして共有できるとも述べています。それを求めてください。スクリーンショットではなく、レポートです。

レポートが数か月前に生成されていた場合は?それは効いてきます。TurnitinのAIライティング検出モデルのページには、日付入りのリリースノートが載っています。2023年8月9日のノートは、参考文献をハイライトしてしまうバグを直しました。2023年5月のノートは、最初と最後の文に関する検出ロジックを変更しました。これらの日付より前に生成されたレポートは、今日生成されるものとは別のロジックで作られています。生成日はレポートに記載されています。スコアを論じる前に、それを見つけてください。

リライターに通せばスコアは直りますか?将来のスコアについて、私たちは断定しません。HumanPenがするのは、あなたが選んだ指摘箇所を書き換えることです。次のレポートが下回るかどうかはお約束しません。モデルは変わりますし、レポートを作るのは私たちではなくTurnitinだからです。

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