AI 割合が高いとき、教員は何をするよう言われているのか
判定された側、つまり学生の側から書かれたアドバイスは多い。しかしベンダーは、テーブルの反対側に向けたガイダンスも公開している。しかも五分で読めるほど短い。
HumanPen チーム
· 6 分
要点だけ言えば
Turnitin は教育者向けのガイダンスで、高い AI 割合を「判決」ではなく「対話の始まり」として位置づけている。まず所属機関のポリシーを確認するよう教員に求め、このツールの目的は罰することではなく対話を促すことだと明言し、さらに冒頭で使える問いかけの例を四つ挙げている。その一つは、レポートを開いてハイライトされた箇所を一緒に見ていこうという誘いだ。そして、不正行為があったかどうかの最終判断はツールではなく教員が下すとも述べている。
公開された二つのページ、どちらも短い
どちらも Turnitin のガイドのうち AI ライティングに関するセクションに、技術ドキュメントと並んで置かれている。一方のタイトルは「What should I do if the AI writing percentage is high?」(AI ライティングの割合が高い場合、どうすればよいですか)で、もう一方は「What questions do I ask my student if AI is detected?」(AI が検出された場合、学生にどんな質問をすればよいですか)だ。
二つを合わせても四千文字に満たない。どちらもログインの先に隠されているわけではない。そして、こうしたページが存在しているという事実自体が示唆に富む。ベンダーはスコアとは別のものとしてこの対話を考え、そのための短い台本まで書いているのだ。
これがあなたにとって意味を持つのは、結果が実際に決まる場所がこの対話だからだ。そして、それがどんな形で進められるよう想定されているのかを知ったうえで、その場に臨めるからでもある。
最初のページが教員に指示していること
そのページ自身の言葉で、手順を追ってみよう。まず「refer to your institution's policy on plagiarism and the use of generative AI in the classroom.」(剽窃および教室での生成 AI 利用に関する、所属機関のポリシーを参照してください)。次に「you'll need a plan for approaching AI-generated text in your classroom.」(教室で AI 生成の文章にどう向き合うか、計画を立てておく必要があります)。
続いて、そのまま覚えておく価値のある一文が来る。
「Rather than viewing the results of our AI writing detection as a punitive measure, the overarching purpose of the tool is to facilitate student conversations and interventions on the use of AI writing tools that may not otherwise occur, and use it as one strategy in your toolkit.」(私たちの AI ライティング検出の結果を懲罰的な措置として捉えるのではなく、このツールのそもそもの目的は、AI ライティングツールの利用について、そうしなければ生まれないであろう学生との対話や介入を促すことにあります。そして、それをあなたの道具箱にある一つの戦略として使ってください。)
道具箱の一つの戦略。判定結果ではない。
そしてこのページは、判断の所在をはっきりと示して締めくくっている。「The final decision on whether any misconduct has occurred rests with the reviewer/instructor. Turnitin does not make a determination of misconduct, rather it provides data for the educators to make an informed decision based on their academic and institutional policies.」(何らかの不正行為が行われたかどうかの最終判断は、レビュアー/教官が下します。Turnitin は不正行為の認定を行いません。教育者が学術上および所属機関のポリシーに基づいて十分な情報を得たうえで判断できるよう、データを提供しているだけです。)
ここから実践的な帰結が二つある。一つは、所属機関のポリシーが数値より優先されるということだ。つまり、そのポリシーを見つけて読んでおくことは、やらなくてもいい準備ではない。もう一つは、関わる誰も――ベンダーを含めて――割合がそれだけで何かを決めるとは説明していないということだ。
冒頭の問いかけ、四つ
二つ目のページは、自分たちの提供物を「conversation jump starters」(対話のきっかけ)だと説明している。対象となるのは「a collaborative conversation with a student regarding potential AI misuse」(AI の不正利用の可能性について学生と行う協働的な対話)で、教官にはこれを自分なりに書き換えるよう求めている。四つすべて、原文のまま挙げる。
- 「When we look at your assignment, we can see [errors, apparent instances of AI misuse, etc.] in these places. Let's work together to find ways to avoid this/improve it in the future.」(あなたの課題を見ると、これらの箇所に誤りや AI の不正使用と思われる箇所などが見られます。今後これを避ける、あるいは改善する方法を一緒に考えましょう。)
- 「Explain your process for completing this assignment. Let's look at areas that you are proud of and areas that you think could use some extra improvement.」(この課題をどう仕上げたのか、その過程を説明してください。自分でよくできたと思う部分と、もう少し改善できそうだと思う部分を一緒に見ていきましょう。)
- 「Let's examine your Turnitin AI writing detection report together. Let's look at the highlighted areas and discuss your choices. Let's brainstorm how to revise these sections of text in order to make the writing more authentically your own.」(Turnitin の AI ライティング検出レポートを一緒に見てみましょう。ハイライトされた箇所を見て、あなたがどんな選択をしたのかを話し合いましょう。そして、その文章をよりあなた自身のものにするために、ここをどう書き直すかを一緒に考えてみましょう。)
- 「What processes have worked well for you in your other classes? How can we consider implementing similar strategies in this class in order to optimize your work?」(他の授業では、どんな進め方がうまくいきましたか。同じようなやり方をこの授業でも取り入れて、課題の質を高めるにはどうすればよいでしょうか。)
四つを並べて読めば、その傾向はすぐに見て取れる。AI を使ったかどうかを尋ねるものは一つもない。四つのうち二つは、あなたの作業の過程について尋ねている。一つはレポートを開いて一緒に確認することを提案しており、もう一つは他の授業での習慣について尋ねている。
そこから言える、持っていくべきもの
二つ目の問いが「explain your process」(作業の過程を説明して)だとすれば、準備しておくべきなのはその過程であって、数値の弁護ではない。
具体的には、面談までに次のことを。
- その文章がどうやって書かれたのかを語れるようにしておく。 いつ書き始め、どんな順番で書き、何を削り、何を読んでいたのか。これは証拠ではなく、普通の記憶の話だが、まさに二つ目の問いが求めているのはそれである。
- 草案の記録があれば、手元に用意しておく。 同じ問いに日付付きで答えてくれる。どこでそれを見つけられるかはバージョン履歴を証拠としてで解説している。
- レポートが送られてきているなら、面談の前に読んでおく。 三つ目の問いかけは一緒に確認することを提案しており、その場で初めて目を通すようなことは避けたい。各部分が何を意味するのかはTurnitin の AI ライティングレポートの読み方で一つずつ説明している。
- 所属機関の実際のポリシーを見つけておく。 ベンダー自身が教員への最初の指示として、そのポリシーを参照するよう求めている。しかもポリシーは機関によってかなり違うため、同じ割合でも機関によって意味が変わってくる。
- ハイライトされた個々の箇所について、何か言えるようにしておく。 合計値についてではない。この対話が想定している粒度は、箇所ごとなのだから。
このガイダンスが、そうではないもの
ここまでに書いたことの限界についても、正直に述べておく。読み込みすぎるのも、それ自体が間違いだからだ。
これはヘルプセンターの短いページが二つあるだけであって、所属機関が合意した手続きではない。担当教員は一度も読んだことがないかもしれない。所属機関のアカデミック・インテグリティの手続きは、最初のメールからいきなり正式な形を取ることもある。そうなると、上に書いたような協働的な枠組みは期待できない。
そして、ここまでのどれも、それ自体が弁明になるわけではない。「ベンダー側は、これは対話のためのものだと言っている」という言い方は、ベンダーの文書については確かにその通りだが、面談の場で口にするには弱い。自分の作業についてではなく、進め方についての議論になってしまうからだ。
すでに正式な段階――申し立て、審査の場、文書での回答――に進んでいるなら、それは形の違う別の問題だ。その場で実際にレビュアーを動かしてきたものは自分で書いたのに判定された場合にまとめている。
レポートの用途を教えてくれる、あの一文
三つ目の「きっかけ」に戻ろう。「Let's look at the highlighted areas and discuss your choices.」(ハイライトされた箇所を見て、あなたがどんな選択をしたのかを話し合いましょう。)
ハイライトされた箇所であって、割合ではない。ベンダーが想定した対話では、議論の単位は「箇所」であり、それぞれの箇所について問われるのは、そこであなたが何を選んだかである。
これは、誰かに見られる前に自分のレポートを見ておくときにも、いちばん役に立つ見方だ。割合に対しては答えようがないが、具体的な段落に対してなら答えられる。
ハイライトされた箇所の一部を、実際に直す必要があるなら
「discuss your choices」(あなたがどんな選択をしたのかを話し合う)に対する答えが、本当に書き直しが必要だというものになることもある。そのとき問題になるのは、文章のどこまでを一緒に直すかだ。
HumanPen はレポートを境界線として扱うことで、この範囲を絞り込む。ファイルとレポートを渡せば、編集されるのはハイライトされた箇所だけであり、誰も指摘していない段落は、あなたがすでに説明した表現のまま残る。
ただし、対話そのものについては何もしてくれない。そこはあなた自身がやる部分であり、上に挙げた材料が、そのために私たちが渡せるすべてだ。
よくある質問
AI 割合が高いということは、何かを咎められたということでしょうか。 それだけではそうならない。Turnitin の教育者向けガイダンスは、不正行為が行われたかどうかの最終判断はレビュアーまたは教官が下すものであり、ツールが提供するのは認定ではなくデータだと述べている。
教官はたいてい何を聞いてくるのでしょうか。 Turnitin が提案する冒頭の問いかけは、作業の過程を中心に据えている。課題をどう仕上げたか、どの部分に手応えを感じているか、そしてレポートのハイライトされた箇所を一緒に見ていくことだ。
Turnitin 自身のガイダンスを、教官にそのまま突きつけるべきでしょうか。 おそらくやめたほうがいい。内容は正確だが、自分の作業についてではなく面談の進め方についての議論になってしまう。面談の目的は、あなたの作業なのだから。
所属機関はこのガイダンスに従わなければならないのでしょうか。 いいえ。これはベンダーが教育者向けに用意したヘルプページにすぎない。Turnitin 自身も最初の指示として所属機関のポリシーを参照するよう求めており、実際に手続きを規定しているのはそのポリシーのほうだ。
続きを読む