ジャーナルは論文のAI写作をチェックしているのか

この問いは、そもそもあなたの投稿では動いていないかもしれない工程を前提にしています。ここでは、ある出版社が「日常的に何を検査しているか」と書いている内容、AIレポートが表示される前に満たすべき別々の条件、そして自分のジャーナルに当てはまる規則をどこで見つけられるかを説明します。

HumanPen チーム

· 9 分

短い答え

必ずしもそうではありません。Wileyが日常的に検査していると説明しているのは重複テキストであり、これはAI写作のスコアではなく類似性のチェックです。iThenticateはAI写作の検出を有料アドオンとして販売しているため、機関によるライセンス契約と有効化が最初の関門になります。そのうえで個々の投稿は、Turnitinが定めるファイル形式・言語・対象テキストの要件を満たす必要があります。したがって、AIセクションがないからといって、それだけで原因がひとつに特定できるわけではありません。2026年8月18日に確認した、出版社と倫理団体の名前を挙げた七つのポリシーページのうち、目標にできるような普遍的なジャーナル向けAI割合を示していたものはありませんでした。それらの文書が扱っていたのは、著者資格、責任、そして開示でした。

つまり「ジャーナルにAIの比率上限はあるのか」という問いは、あなたの投稿には存在しないかもしれない工程の上に成り立っています。答えられる問いはもっと限定的です。実際に何が実行されるのか、数字があるとすればそれはどこから来るのか、そして何がどうあれ開示しなければならないことは何か、という三つです。

投稿時に実際に実行されること

出版社は投稿原稿の検査について確かに記述しており、少なくとも一社は、その検査が何を対象にしているのかを一文で書き表しています。Wileyの出版倫理ガイドライン、剽窃についての見出しの下にある記述です。

「Wiley routinely screens submitted manuscripts for duplicated text using tools such as Crossref Similarity Check. If significant and unexplained overlap is identified, we will follow COPE guidelines on handling plagiarism in a submitted manuscript or published article to resolve the issue.」(Wileyは、Crossref Similarity Checkのようなツールを使って、投稿された原稿に重複テキストがないかを日常的に検査しています。重大で説明のつかない重複が見つかった場合には、投稿原稿または掲載論文における剽窃の取り扱いに関するCOPEのガイドラインに従って問題を解決します。)

その文の対象を読んでください。重複テキストです。このサービスに関するCrossrefのページは続けて、iThenticateは「containing a Similarity Score and a highlighted set of matches to similar text」(類似スコアと、類似テキストとの一致箇所を強調表示した一覧を含む)Similarity Report を提供すると説明しています。この記述は、語数の検索にページの代わりをさせなくても、何が測定されているのかという対象を教えてくれます。

これはAI写作のスコアとは別の測定であり、程度の差ではなく種類の違いです。誰がそれを実行するのか、あなたの文は何と比較されるのか、そして自分の過去の論文がなぜ一致として現れることがあるのかについては、すべてあなたの原稿の類似性チェックを誰が行い、何と比較しているのかにまとめています。次のセクションに持ち出してほしい点がひとつあります。あなたの原稿がこの特定のチェックを通るかどうかは、あなたの分野ではなく出版社についての事実だということです。

AIの割合はどこから来るのか

同じ販売元でも、購入内容は別です。TurnitinのiThenticate製品ページは、自社のFAQで次のように答えています。

「iThenticate customers can access AI writing detection as a paid add-on. Once licensed and enabled, Turnitin's AI writing indicator, which is integrated within the Similarity Report, shows an overall percentage of the document that AI writing tools such as ChatGPT may have generated.」(iThenticateの顧客は、有料アドオンとしてAI写作の検出を利用できます。ライセンスが付与され有効化されると、Similarity Report に組み込まれたTurnitinのAI写作インジケーターが、ChatGPTのようなAIライティングツールによって生成された可能性のある文書全体の割合を表示します。)

同じページの機能一覧も、同じ境界線を引いています。Similarity Report は「Core features」の下にあり、AI写作の検出は「Add-ons」の下にあります。

ライセンスと有効化は、最初の関門にすぎません。Turnitin自身のレポートガイドは、「AI writing detection is unavailable for this submission」(この投稿ではAI写作の検出を利用できません)という状態を示しており、その理由として、サポートされていないファイル形式、サポートされていない言語、対象テキストが300語未満または30,000語超であることなどが挙げられています。別の状態としては、投稿時に検出が無効になっていたというものがあります。つまり「ジャーナルが私の論文をチェックした」というのは、まったく別の出来事を指していることがあります。誰かが数字を挙げてきたら、それがどのレポートに載っていたのか、そしてそのファイルがそのレポートの対象になったのかを尋ねるのは正当なことです。

したがってAIセクションがないことは、このレポートがAIの結果を表示していないということだけを伝えています。それだけでは、ライセンスの問題なのか、投稿が対象外なのか、処理の状態の問題なのかを区別できません。レポートの管理者に、どの条件が当てはまったのかを尋ねてください。言語に関する境界線については、Turnitinは英語以外の投稿でAIを検出できるのかで別に扱っています。

ポリシー調査でわかることとわからないこと

2026年8月18日、私たちは六つの組織が出している特定のポリシーページ七つを確認しました。これらを名前を挙げて示すことには意味があります。これは範囲を区切った文書調査であって、すべての出版社やすべてのジャーナルについての主張ではありません。

組織確認したポリシーページ
Nature Portfolio人工知能(AI)
Wiley出版倫理に関するベストプラクティス・ガイドライン
Taylor & FrancisAIポリシー
Taylor & Francis研究論文における著者資格の定義
SAGE人工知能に関するポリシー
ICMJE著者と貢献者の役割の定義
COPE著者資格とAIツール

その七つの文書のいずれも、目標にできる普遍的なAI割合を示してはいませんでした。扱われていたのは、誰が著者になれるのか、誰が原稿の責任を負い続けるのか、AIの使用をいつ開示すべきかといった問いです。この結果は、その日に読んだ、名前を挙げたページについてのみ言えることです。出版社やジャーナルが追加の規則を持っていないことを証明するものではありませんし、機関が検出ツールのライセンスを取得しているかどうかについても何も述べていません。

Elsevierがこの七ページの調査に含まれていないのは、そのポリシーページがブラウザで安定して読み込めなかったためです。後ほど、そこから直接取得できた開示に関する一文だけを使います。読み込みが失敗したことを根拠に「規則はない」と主張することはしません。

七ページの調査からは、目標にできる普遍的な割合は得られません。得られるのは出版社レベルの開示に関する問いの地図であり、それはさらに、自分の論文を扱うジャーナルと投稿システムへと絞り込む必要があります。

ポリシーが実際に含んでいること

確認したポリシーで繰り返し出てくる論点は、何が行われたのかを伝えることです。ただし、その境界線の正確な位置はさまざまです。Elsevierのジャーナル向けポリシーは、その境界線の一つの形を二文で示しています。

「Basic checks of grammar, spelling and punctuation do not need a declaration statement. However, when an AI tool makes substantive changes to sentence structure or organization of a part of the text, this should be disclosed.」(文法、スペル、句読点の基本的なチェックに開示声明は必要ありません。しかし、AIツールがテキストの一部の文構造や構成に実質的な変更を加えた場合には、それは開示すべきです。)

あなたの作業工程のどこかに文を組み替える部分があるなら、この一文には立ち止まる価値があります。なぜなら、この線はツールの名称ではなく、ツールがテキストに何をしたのかを囲むように引かれているからです。

COPEの見解は、AIは責任を負うことも、利益相反を申告することも、ライセンスを管理することもできないため著者にはなれないとしています。そのうえで、執筆、画像の作成、データの収集と分析にAIを使った著者は「must be transparent in disclosing in the Materials and Methods (or similar section) of the paper how the AI tool was used and which tool was used」(論文の Materials and Methods、またはそれに準じるセクションで、AIツールをどのように使ったのか、どのツールを使ったのかを透明性をもって開示しなければならない)としています。これは責任と透明性についての指針であって、目標にすべきジャーナル固有のスコアではありません。

声明をどこに書くのか、そして各出版社が何を免除しているのかは、ばらつきのある部分であり、投稿時に最も間違えられやすい部分でもあります。六社分を並べて比較したものが出版社のAI開示ポリシー比較です。

自分の答えをどこで探すか

ここまでの内容はすべて出版社レベルの話であり、それは答えではなく土台です。あなたの答えはもっと狭い文書の中にあります。次の順序で読む価値があります。

場所何が確定するかどう突き止めるか
ジャーナルの投稿規定そのジャーナルが出版社の既定に何かを上乗せしているか、そして声明をどのような形にする必要があるかページ内を "artificial intelligence" と "declaration" で検索する。読んだバージョンと日付を保存しておく
投稿ポータル自体アップロード時に何にチェックを入れ、何を入力するよう求められるか締め切りの当日ではなく、前に開いておく。ポータルの質問は投稿ガイドより狭いことが多く、両者が常に一致しているわけではない
出版社のAIポリシーページほかのすべてが乗っている土台と、免除の文言免除の要約ではなく、免除そのものを読む。「Grammar and spelling」(文法とスペル)と「copy editing」(コピー編集)は同じ大きさではない
編集部ページが決着をつけていないことすべてそのジャーナルが投稿にAI写作レポートを実行しているかなど、具体的なことを尋ねる。漠然とした質問には漠然とした答えしか返ってこない

返ってきた答えが「私たちは数値を持っていない」というものだったとしても、それは答えであって、はぐらかしではありません。それは、引き金となるのが自分で狙える閾値ではないことを示しています。したがって有用な準備は、目標の数値ではなく、原稿がどのように書かれたかの記録です。

書き直しの工程が作業に含まれている場合

その場合は二つの問いを分けてください。答える先が別の文書だからです。書き直しが作用するのは文言です。開示の規則が問うのは、原稿が書かれている間に何が起きたかであり、後から文言に何をしても、そこにさかのぼって影響することはありません。この点についての私たち自身の見解は書き直しツールに通すと、開示しなければならない内容は変わるのかに書きました。また、上で引用したElsevierの「substantive changes to sentence structure or organization」(文構造や構成に対する実質的な変更)という一文が、投稿時に効いてくる形です。

すでにレポートがあり、特定の段落が示されている場合、それはまさにHumanPenというツールが作られた狭い状況です。原稿とレポートを一緒にアップロードすると、示された箇所だけを処理し、ファイルの残りの部分は入ったときのまま戻ります。条件を満たす箇所は、無料で再実行できます。

私たちがお渡ししないのは、目標となる数値です。上に挙げた情報源のどれも設定していませんし、それをこちらで作るのは私たちの役割ではありません。何が許容範囲かを書き直し業者が宣言するのは、まさに尋ねる相手として最も不適切です。

よくある質問

どのジャーナルも投稿にAIチェックをかけているのか? どちらの方向にも決めつけないでください。Wileyは重複テキストの日常的な検査を公に説明していますが、iThenticateはAI写作の検出をアドオンとして販売しています。ライセンスが付与され有効化されている場合でも、投稿はそのレポートが定めるファイル、言語、対象テキストの要件を満たす必要があります。この投稿にどのチェックが適用されるのかを、ジャーナルかレポートの管理者に尋ねてください。

ジャーナルへの投稿にAIの割合の上限はあるのか? 調査で名前を挙げた七つのポリシーページのいずれも、普遍的な上限を示してはいませんでした。特定のジャーナル独自の指示がある可能性までは否定できません。したがって、挙げられた数字がどの文書に由来するのかを尋ねてください。この分野で最もよく引用される数字は、ジャーナルの上限ではなく表示上の規則です。これについてはAI 20%は高すぎるのか 絶対的な閾値が存在しない理由で詳しく取り上げました。

類似性レポートにAIセクションがない。それはAIチェックされなかったという意味か? このレポートがAIの結果を表示していないという意味でしかありません。考えられる理由には、ライセンスや有効化、サポートされていないファイル形式や言語、対象テキストが文書化された語数の範囲外であること、投稿時に機能が無効になっていたことなどがあります。欠けているセクションだけで判断するのではなく、レポートの管理者にどの状態だったのかを尋ねてください。

後から自分で全部書き直した場合、AIの使用は開示しなければならないのか? どれだけ変えたかから推理するのではなく、免除の文言を読んでください。Elsevierのページは、文法、スペル、句読点の基本的なチェックを免除し、文構造や構成に対する実質的な変更は開示すべきだとしています。同じ境界線を別の言い方で書いている出版社もあるため、比較ページを用意しています。

編集者から自分の論文のAI使用について尋ねられた。それは検出結果なのか? 必ずしもそうではありません。答える前に確かめる価値があります。何がその質問を引き起こしたのか、そしてどのレポートに由来するのか(あるならば)を尋ねてください。質問は査読者の印象から来ることも、類似性の指摘から来ることも、原稿と一致していなかったポータルでの申告から来ることもあり、それぞれ答え方が異なります。投稿前の最終確認用チェックリストは最終原稿チェック:AI開示、語数、引用、DOCXの整合性にあります。

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